牡蠣について

牡蠣(カキ)の言語について

◆派生義
英語のoysterは寡黙さの代名詞です。
広東語で「干しガキ」は「ホウシー」といい、「好市」(良い市況)と似た発音なので、旧正月に好んで食べられるようです。

◆日本語のアクセント
植物のカキ(柿)とは同音ですが、共通語ではアクセントの位置が異なります。
カキ(貝)の場合は「キ」にアクセントがあり、これは「夏季」「夏期」「下記」「火気」「花器」「火器」「花卉」等の熟語などとも同じです。
他方、カキ(柿)は「カ」にアクセントがあります。

◆漢字
「蠣」だけで牡蠣の意味を表します。
しかし実際には「牡」の文字も用いて「牡蠣」と表記しています。
これは一般に貝は雌雄で色の異なる部分(サザエであれば「ふんどし」と呼ばれる部分)があり、白い物が雄と考えられていたのに対し、牡蠣は全身が白い(緑色をした牡蠣もあるがこれはえさの違いによるもので、あまり一般的ではない)ことから「牡しかいない貝」と誤解されたことに由来するそうです。
実際に牡蠣の生殖巣においては精巣と卵巣がいりまじっていることもあり、その区別は肉眼では不可能で、顕微鏡を使用しなければならないとか。

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牡蠣(カキ)の主な産地

日本の2001年における牡蠣(カキ)の生産量は37000トンで、内訳は広島県56.0%、宮城県15.0%、岡山県12.0%、兵庫県4.2%、岩手県4.0%、その他9.0%となっています(「漁業・養殖業生産統計年報」・むき身換算)。
同年の輸入量は14892トンで、輸入量の93%を韓国からのものが占めていました。

各産地では、牡蠣(カキ)をブランド化しています。
北海道厚岸町のシングルシード(蛎殻を砕いたものに各一匹の幼生を付着させて育てたもの)のカキ「カキえもん」、三重県の「的矢カキ」、広島県の3倍体のカキ「カキ小町」、北海道寿都町の「寿(ことぶき)カキ」、福岡県糸島郡志摩町岐志の「森のめぐみ」などを行い、牡蠣を売り出す新しい動きもみられます。
特に三重県の的矢牡蠣は生食かき養殖技術発祥の牡蠣で有名です。

香港郊外の流浮山は牡蠣の焼き物などの料理が有名な養殖地でしたが、近隣の工業化によって、海水の汚染がひどくなり、衰退しているそうです。

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牡蠣(カキ)の流通に係わる法制度

東京都では食品として安全に流通させる為に、生食用かきを取り扱う場合、保健所長への届出を必要とさせています。
届け出を行うと『生食用かき取扱い届済』ステッカーが交付されます。
同時に、大腸菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌O157、ノロウイルス、貝毒等の項目の検査と履歴の保存を指導しています。
また、生食用かきが原因となる食中毒が発生した際に、速やかな調査と食中毒事故の拡大を防止する目的で、採取海域の表示を義務付けています。

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牡蠣(カキ)の様々な分野での活躍

牡蠣(カキ)は、牡蠣(カキ)そのものを食べることが主流ですが、それ以外でも様々な分野での活躍がみられます。

◆カキ油
カキ油(オイスターソース)は中華料理の重要な調味料で、中国マカオのものが著名です。

◆干しガキ
干しガキ(ハオチー)は中国広東省で製造、使用されている調味用食材です。
カキのむき身を塩ゆでしてから日干しにしたもので、うま味を出すのに使われます。

◆貝殻
貝殻は牡蠣(ボレイ)といい、焼成してから粉砕した粉は日本薬局方に「ボレイ末」として記載の生薬です。

◆養殖
海苔の養殖などに貝殻が利用される場合もあります。

◆海水の浄化
水を綺麗にする効果があるといわれ、現在実験中だそうです。

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牡蠣(カキ)の料理について

カキの殻の表面は剃刀の刃のように薄いものが重なっており、生食の際には軍手などの手袋を用いないと手のひらに無数の傷がつきます。
網焼きや生食では身だけでなく汁もともに吸って食べます。
多くの人はカキの身にのみ栄養があると考えていますが、身が浸されている殻の中の海水を含む汁にも多くの栄養素が含まれていることも知られています。

◆生食
カキの殻を合わせ目からナイフ状のヘラを差し込み、貝柱を切断してこじ開け、身をつまみ出して食べます。
生ガキとも呼び、レモン汁や食酢等を使った酸味のある調味ダレを添えることもあります。

◆網焼き
殻のままカキを網の上で焼き、殻が開いてから食べます。

◆カキフライ
カツレツの手法によって、生のカキに小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてからパン粉をつけて、油で揚げます。

◆カキの天ぷら
中国広東省などでは、厚めの衣をつけた天ぷらが好まれているようです。

◆牡蠣の土手鍋
土鍋の内側の周囲全体に味噌を厚く塗ったなかに、カキやその他の具材を入れ、味噌が溶け出してから食べます。

◆カキご飯
カキの煮汁でご飯を炊き、炊き上がったところでカキを混ぜ数分ほど蒸らしてつくります。

◆カキ鍋
季節の具材とともに煮る鍋料理の一つです。

◆カキ入り卵焼き(オーアチエン)
台湾や中国福建省、広東省の一部で一般的な料理で、お好み焼きのように平たく焼いてから、甘い味のたれをかけて食べます。

◆カキ粥(オーアティオッ)
台湾、広東省(特に汕頭市、香港など)で好まれる料理のひとつです。
カキのむき身を米の粥に入れ、揚げたネギ、広東セロリ、コリアンダーなどを添えたものです。

◆カキスープ(オーアトゥン)
台湾などではショウガの味を利かせたカキのすまし汁にも人気があります。

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カキの喫食と食中毒について

古来より喫食されているカキですが、一方で「あたる」食品(食材)としても知られています。
このことは、非加熱状態で貝の身をまるごと喫食する機会が多いこととも関係が深いのです。

生食用のカキは汽水域で植物プランクトンを豊富に取った牡蠣を紫外線殺菌された海水中で数日間飼育し、またその間絶食状態にすることで無菌状態にします。
生食用のカキは数日間エサを与えられないために身が痩せることから、生食する以外の用途では加熱用のものの方が美味いようです。

食中毒症状を引き起こす原因としては貝毒、細菌(腸炎ビブリオ、大腸菌)とウィルス(特にノロウィルス)がよく知られていますが、どの原因も生育環境(海水)に由来するもので、貝の摂餌行動などによって貝内部、消化器官(中腸腺など)に取り込まれ濃縮されるものだといわれています。

重要なことは、すべて二枚貝であれば共通する要因で、貝毒以外は充分に加熱処理することで食中毒を回避できるという点であり、貝毒以外は「身をまるごと生食」あるいは「加熱が不十分なものをまるごと喫食」した場合にはどの二枚貝でも危険度に何ら差はないのです。

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牡蠣(カキ)を食材として利用したのは

タンパク質やカルシウム、亜鉛などのミネラル類をはじめ、さまざまな栄養素が多量に含まれるため、「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣。
カキフライのような揚げものや、鍋物の具にして食べるほか、新鮮なものは網焼きにしたり生食されます。

食用の歴史が非常に長く世界中で食され、最も人類が親しんできた貝の一つだといえます。
一般的に肉や魚介の生食を嫌う欧米食文化圏において、カキは例外的に生食文化が発達した食材であり、古代ローマ時代から珍重され養殖も行われていたそうです。
生ガキはフランス料理における定番のオードブルとなっており、また生ガキをメニューの中心に据える、「オイスターバー」と呼ばれるレストランも存在するとか。

日本では縄文時代ごろから食用されていたとされ、室町時代ごろには養殖も行われるようになったといいます。
大坂では牡蠣船というものが明治時代まで晩秋になると広島より来て、商いを土佐堀、堂島、道頓堀などで船上で行っていました。
広島や東北などの地方が産地で、消費地まで輸送するのに時間がかかったこともあり、日本ではカキの生食は産地以外では一般化せず、もっぱら酢締めや加熱調理で食されていました。
日本人がカキを生で食べるようになったのは欧米の食文化が流入した明治時代以降で、生食文化が欧米から輸入された珍しい食材でもあります。

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日本での主な食用牡蠣

◆マガキ属 Crassostrea

◇マガキ(真牡蠣) Crassostrea gigas(Thunberg,1793)
最も一般的な種で、日本でカキといえばこれが本種です。
一般的には、寒い時期に食べます。
大型で夏でも生殖巣が発達しない「3倍体牡蠣」も開発され市場に出ているようです。
広島県、宮城県、岡山県産が有名ですが、韓国からの輸入品も相当量あるとか。

◇イワガキ(岩牡蠣) Crassostrea nippona(Seki, 1934)
「夏ガキ」とも言われる牡蠣です。
殻の色が茶色っぽく、マガキに比べて大きいものが流通しています。
天然物と養殖物の両方があります。

◇スミノエガキ(住之江牡蠣) Crassostrea ariakesis(Fujita, 1913)
有明海沿岸で食用にされていますが、他所へはほとんど出回りません。
マガキに極く近縁な種で、殻の表面はやや滑らかです。

◆イタボガキ属 Ostrea

◇イタボガキ(板甫牡蠣) Ostrea denselamellosa(Lischke, 1869)
かつては多く食用にされ、能登半島や淡路島周辺が有名な産地でしたが、現在は瀬戸内海地方で僅かに市場に出回る程度で、絶滅危惧種状態といわれています。
食用のみならず貝殻が最上質の胡粉の原料となる点でも重要であり、本種の復活と養殖技術開発の努力がなされています。

◇ヨーロッパヒラガキ Ostrea edulis(Linnaeus, 1758)
ヨーロッパ原産で、イタボガキに似た外観で輪郭が丸く平たい貝です。
別名を「ヨーロッパガキ」といい、市場ではフランス牡蠣、ブロン、フラットなどとも呼ばれます。
日本では宮城県唐桑町の舞根(もうね)などで僅かに養殖され、高級食材としてフランス料理店などに卸されているようです。
かつてのヨーロッパ、特にフランスでカキと言えば本種のことでしたが1970年代以降、寄生虫などにより激減し、需要をまかなうために日本産のマガキを輸入して養殖するようになったとか。
それ以来フランスなどで流通するカキの相当部分は日本由来のマガキであるようです。

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カキの主な成分と効能

牡蠣
かき(牡蠣)は滋養強壮、神経鎮静、貧血、成人病予防などに良いといわれています。

かき(牡蠣)は良質なたんぱく源ですし、消化吸収のよいエネルギー源であるグリコーゲンにも富むことから、幼児や老人、病後の人の滋養に用いられます。また鉄、ビタミンB1・ビタミンB2も多く、とくに鉄は100gあたり3.6mg含み、卵の2倍にもなります。カキは貧血予防に最適な食材なのです。

一方、かき(牡蠣)にはコレステロールが多いといわれたこともありましたが、これは測定法の誤りで、むしろカキにコレステロールは少なく、逆に血圧を正常値に保つタウリンを多く含んでいます。このため高血圧の人にも低血圧の人にもすすめられる食品でもあります。タウリンは血栓予防、心臓の興奮もしずめるところから、成人病一般に効果的と言われます。

さらに牡蠣の貝殻は漢方で使う「ぼれい」であり、煎じて肺結核の盗汗(寝汗)に用いられます。

健康マトリックス かき(牡蠣)より引用
http://kenko.it-lab.com/shokuhin.php/16/